コーティング前に知っておくべきこと
クルマの塗装について
車の塗装に使われる「ウレタン系の塗装」の硬度はH~2Hと言われます。高級車などの「高品質塗装」や輸入車などの「水性塗料(塗装)」でも3~4H程度です。濃色車(特に黒色のソリッドカラー)などは、洗車後の拭き上げの際にタオル傷がついてしまい、光の反射で傷が目につき気分を害する結果になることがあります。
コーティング施工について
施工されるユーザーの多くは、ガラスコーティング施工を比較する基準の一つとして「硬さ」も考慮されているのではないでしょうか?しかしながら、「硬度9H」を誇る従来のガラスコーティングは「傷がつきにくくなる」と称しているものの、わずか0.5ミクロン程度の極薄被膜ではその違いはあまり感じにくい傾向がありました。また、「耐スリ傷」に対する性能が期待できないことで、施工者の多くが「できる限り極薄に塗りこむ」という施工方法が蔓延している実態があります。「防汚性能」や「艶向上」が目的であれば、薄く塗る方がムラなく仕上がりますが、「傷がつきにくい」という耐スリ傷性能は低下せざるを得ない状況が生じます。
コーティングに求める更なる価値とは?
仕上がり直後の艶・撥水性能がすべてではない
車におけるコーティング施工は、「新車以上の艶を作る」ことや「洗車などの手入れが楽になる」などが挙げられます。それは、「傷が付きにくくなる」と言った耐スリ性能です。ガラスコーティングには他のコーティングに比べて「硬い被膜を形成する」と特徴があります。その硬さは鉛筆硬度で9H(石英ガラスの硬さに相当)と言われますが、実際は塗装の硬度やコーティングの被膜の厚さを考慮すると、2,3H程度と推測されます。爪の硬さが2.5H程度ですから、たとえガラスコーティングを施工しても軽く引っ掻くだけで傷が入ってしまうことがあることから、「傷がつきにくくなる」というのはあいまいな評価かもしれません。
黒色など濃色ボディに求められるコーティング性能とは?
黒色の塗装は他の色に比べ汚れや傷が目立ちやすく、タオルで拭き上げるだけでこすり傷がはいってしまうほどデリケートです。新車以上の輝きは作るものの、「洗車のしやすさ」や「傷が付きにくい」と言った付加価値が薄れてしまっては「コーティング」の魅力が半減します。お客様が安心で快適にお手入れを楽しむことを目的と考えれば、従来のガラスコーティングのような、「一層極薄被膜」では高いパフォーマンスは期待できません。艶・撥水性能に加え、擦り傷などを防ぐ「耐スクラッチ性能」の向上を目的とした「高膜厚」・「複層ガラス被膜」などの新たな付加価値が求められています。
耐衝撃性強化ガラスコーティング
他分野から技術を応用
「擦り傷からボディーを守る」というコーティング施工への期待は、車分野だけではありません。身近な例でいえば「携帯電話」や「スマートフォン」などにもすでに採用されています。さらにDVDやブルーレイディスクなどの記録媒体などは、「音飛び」や「読込エラー」の問題から、「傷防止」に対するコーティング技術はどの分野よりも先行しています。
これらの技術を応用し、開発されたのが「スクラッチプロテクトコート」の耐スクラッチ性能です。
耐衝撃を実現する論理
従来のガラスコーティング被膜は「硬さ」を求めることで、傷などの衝撃を受け止めた際、反発させ防ぐというものがほとんどでした。先に説明したように、反発による傷防止には現状の何百倍もの被膜の厚さが要求されます。しかも、車塗装における擦り傷などのほとんどは「鋭角」に入り込むことから、表面硬度の硬さではあまり効果できない状況が生じます。そこで考えられたのは、「衝撃を適度に吸収し分散させる」という理論です。適度な硬さに「柔軟性」や「弾力性」を加え、低反発を促すことで無理なく傷を防止するガラスコーティング被膜を開発しました。更に摩擦を抑え滑りを促す「トップコート」を施工することで、耐スクラッチ性が格段と向上します。
硬度6Hのフレキシブル被膜を形成
スリ傷などのダメージを軽減するボディーを創る
油分などの汚れの除去機能を有するベースコートに、耐イオンデポジット性能を高める特殊シリコンレジン配合のトップコート(犠牲膜)は、極めて高い防汚性能を発揮します。最近の車に使われるウレタン系の塗装は硬度はH~2H。高級車などの「高品質塗装」や輸入車などの水性塗料(塗装)でも3~4H程度の硬度です。洗車などによる洗車キズやタオルの拭きキズがついてしまう現状があります。
塗装の品質を換えるコーティング
スクラッチプロテクトコートは、従来のコーティングのように「硬さ」だけを追求することなく、擦りキズなどのダメージを適度に吸収する「柔軟性」と「弾力性」を加えた「フレキシブルガラス被膜」を形成します。耐衝撃性を高め、「洗車キズに強い」ボディを造ります。
品格を装う上質な輝き
重厚被膜がボディコントラストを強調する
スクラッチプロテクトコートのガラス有効性便は85%ガラスコーティング素材として最高レベルに到達しました。残りの15%が防汚性能を強化する添加剤と溶剤で構成されており、コーティング膜を構成するガラス成分がほとんどを占めています。さらに1台に使うコーティングの使用量は100~150mlです。通常の7~10倍くらいです。しかし、ムラなく均一に仕上げるには、それほど難しくありません。伸びもよく、拭き上げが切れ良くスムーズにムラなく仕上がります。「質をあげることで作業性が低下する」といった今までのガラスコーティングとは次元が違います。照明設備や空調設備の整った環境ならば、ムラなく均一に仕上げることが可能です。高純度で深みのある透明感に重厚な膜厚のある被膜が、高度な下地処理技術(磨き)により磨かれた塗装をさらに美しく強調し、まばゆい輝きを創り出します。
超密着性が保護能力を高める
研磨剤によるポリッシングでは容易に剥がれない
コーティングとは、塗装面に密着し塗装表面が受けるダメージを代わりに受け止める「犠牲膜」と考えます。そして、その保護膜は繰り返し再生することで強化できるものが理想です。スクラッチプロテクトコートのメンテナンスは、塗装を研磨せず小傷を除去できます。また、重ねれば重ねるほど膜は厚くなりますが、初回のコーティングに関しては5μm以下に抑えないとクラック(ひび割れ)を生じる恐れがありますので3~4μm程度に仕上げます。ポリッシャーで磨いただけでは容易に剥がれませんので、メンテナンスや再施工時にコーティングを施せば更に膜厚は向上し塗装を強化します。
※事故による再塗装の際は、専用の剥離剤を使用で被膜は除去できます
疎水性被膜の性能
水滴になりにくく、低反発で水が引いていく
親水性(水になじみやすい)に水キレの良さを持たせた疎水性という被膜の特性は、極めて高い防汚効果を発揮します。さらに+αと位置付けるトップコートの性能は耐イオンデポジット(水シミ)性能の高め、「犠牲膜」としてと長期にわたり効果を発揮します。